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君とアニメと人生と

アニメ・人生・仕事の三本柱でお送りします

出版業界に未来はあるのか?

世の中 人生-読書 人生

先ほど、はてブで出版業界の売り上げが落ち込んでいるという趣旨の記事を拝見しました。

たった2ヶ月とはいえ、出版業界の最前線で働いてみて感じたことをここに記したいと思います。あくまで私の持論なので、信じるも信じないもあなた次第。

紙の書籍は永遠になくならない

書籍というメディアの特性は、「普遍的」で「完結している」ことです。

なので、それ1冊、またはそのシリーズを持っていれば何時でも見返すことができますし、小説や理論書など、多くのものは時間経過によっても価値を失いません。今も尚、国語の教科書には夏目漱石や森鴎外の小説が使われていますし、哲学に至っては数百年以上前の著書が幾度も複製されながら現代の学問にも利用されています。

また、電子書籍の台頭が著しい現代ですが、こと「保存」ということに関していえば、紙媒体にもそれなりの長所があります。

電子の場合は、確かに持ち運びや管理が容易ですが、電子情報というのは意外とあっさりデータが消えてしまったりもします。そこで、何重にもバックアップを取ったり、場合によってはプリントアウトして手元に置いておいた方が良いこともあるでしょう。

 

紙の書籍の場合は、まず実体があります。燃えたりしない限りは消失の心配もありませんし、なによりもそこに自分の歴史が残ります。全ての命が衰えていくように、紙の書籍もまた色褪せていきます。そういった意味では、紙の書籍には命が宿っているのだといえるかもしれませんね。

紙の雑誌は消えてなくなるかもしれない

普遍的かつ完結したメディアである書籍に比べ、雑誌というメディアは、「一時的」で「完結していない」ものです。

雑誌は毎号続けて読むものですし、内容はその時々の旬なトピックや流行を反映します。学問的には、数十年・数百年前の雑誌にも価値があるかもしれませんが、一般人にとっては、時間を経過するごとに価値を失っていきます。

また、雑誌の特性はまさにWebの得意とする部分と重なっています。旬な情報や流行などはいち早く取り入れられた方が良いので、より早く情報を得ることができるWebには最適な分野であるわけです。

更に、紙の週刊誌を毎週買っていた経験のある方ならお分かりでしょうが、週刊誌を続けて買っていると非常にかさばって場所を取りますよね?あんなものを全て取っておいたら、雑誌専用の部屋が一つできてしまいそうです。

 

このように、紙の雑誌はWebの台頭によって、そのアドバンテージを大きく削られることになりました。実際のところ、雑誌をメインの事業としていた中小出版社は確実にその数を減らしています。

出版社の規模は大きく縮小する

以上、出版業界の二大事業である書籍と雑誌の未来についてまとめてきました。

斜陽産業と言われているとはいえ、出版業界自体がなくなるということはまず考えられません。しかし、確実に強まってくる出版業界への荒波。

恐らく、出版業界の多くの会社はその規模を縮小させることで、組織を維持させることになるでしょう。現在は、書店への営業や印刷会社との関わりが非常に重要ですが、雑誌事業がWebへと移行した場合、そういった仕事は大きく減少することが予想できます。

 

日本の出版業界のシステムは、出版社がキャッシュフローの確保のためにひたすら本を出版し続ける「自転車操業」に陥りやすくなっています。

そうなる前に、事業を整理し組織の再編を進めることが、今の出版業界に求められているのではないでしょうか。

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