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君とアニメと人生と

アニメ・人生・仕事の三本柱でお送りします

「キュレーション」って結局何?自分なりに定義を考えてみた

世の中 世の中-メディア

昨日は、「ジャンル特化型キュレーションサイトという新たな方向性」という記事を書きましたが、自分が思っていたほど皆さんは「キュレーション」に対して興味を持っていなかった様子。ですが、めげずにしつこく「キュレーション」について書いておこうと思います。これからどんどんキュレーションメディアは増えていくと思うので、曖昧なままにせず今のうちにしっかり定義を考えておきましょう!

「キュレーション」の意味

まずは言葉としての意味を理解しておくところから。わかりやすい説明があったので引用すると、

 「キュレーション」(curation)とは、情報を選んで集めて整理すること。あるいは収集した情報を特定のテーマに沿って編集し、そこに新たな意味や価値を付与する作業を意味します。

出典:キュレーション(きゅれーしょん)とは - コトバンク

とあります。

つまりキュレーションとは、情報の「整理」と「加工・再生産」の二つの意味があるのです。

※「キュレーション」と「編集」

これは余談ですが、実はこれって出版における「編集」という概念と類似しているんですよね。私も編集プロダクションで何冊か制作に関わりましたが、今世の中に出ている本のほとんどには、少なからずオリジナルでない情報、つまり「整理・加工・再生産」された情報が入っています。

私の場合、制作費の都合によってほとんど取材や調査などもせずに、参考書籍やネットにある情報で本を作っていました。つまり厳密に言えば、キュレーションは今に始まったことではないのですね。

「キュレーション」に関わるメディアの関係性

キュレーションという言葉自体が持つ意味について説明をしましたが、最近よく聞く「キュレーション」という言葉は、主に二つある意味のうちの前者として使われています。

このことを理解するためには、「キュレーション」に関連するメディアの定義を理解しておく必要があるでしょう。

オリジナルコンテンツを作るメディア(1次メディア)

まずは、新聞や雑誌、テレビなど、オリジナルのコンテンツを生産するメディアが存在します。これらは、昔からある「マスメディア」とも重なる領域ですね。

1次メディアは、独自に作ったコンテンツを自社メディア上に掲載するという、非常にわかりやすい構造でできています。しかし、1次メディアにはどうしても欠点があります。それが「意見の偏り」です。

私はプロ野球が好きなので野球で例えるとすると、巨人ファンにとって読売新聞のスポーツ欄は非常に面白いでしょうが、中日ファンにとってこの欄は必ずしも面白いものではありません。とはいえ、同じセ・リーグではあるので多少有益な情報もあるでしょう。しかし、西武ファンにとってみれば、隅っこに西武戦のスコアと簡単な説明が載っているだけで、ほとんどが興味のないことである可能性すらあります。

オリジナルコンテンツを加工・再生産するメディア(1.5次メディア)

昨日も説明した、NAVERまとめなどの「キュレーションサイト」がここに当てはまります。「キュレーション」という言葉の意味合いで言うと、後者の「加工・再生産」の方です。

1.5次メディアがとても有益なのは、まず一点目に、なかなか人目に触れずに情報の海眠っている情報の価値を再発見できること。そして二点目に、それだけではあまり意味を成さない情報をある意図によって加工することによって、そこに新たな意味を付加できることです。

しかし、1.5次メディアにはこの点を理解せずに作られてしまう「ごみコンテンツ」が溜まりやすいという欠点もあります。その代表といえば、オリジナルコンテンツをそのまま丸々コピーしただけの、いわゆるパクリ記事。

1.5次メディアには、その性質上これらの「ごみコンテンツ」を排除することが難しいという現状があるのです。

既成コンテンツを流通させるメディア(2次メディア)

今流行りの「Gunosy」や「SmartNews」、「NewsPicks」などの「キュレーションアプリ」がここに分類されます。「キュレーション」の意味で言えば前者の「整理」の方。「メディアの集積」と言った方がもっとわかりやすいかもしれません。

このメディアの良さは、1次メディアの欠点である「意見の偏り」を無くすことができる点。自分の知りたい情報について、より多くの情報を簡単に手に入れることができるのです。

ただし、2次メディアは自分で新たな価値を生み出しているわけではありません。要するに、自分であれこれ調べる手間を省いている「効率化」のメディアに過ぎないのです。2次メディアは、1次メディア(1.5次メディアも含む)という基盤の上に成り立っています。仮に1次メディアの質が下がったとすれば、必然的に2次メディアの質も下がるというわけです。

まとめ

キュレーションには、情報の「整理」と「加工・再生産」という二つの意味があるということを説明してきました。

一般的に認識されている「キュレーション」とは、どちらかというと前者の「整理」の方です。確かに、これもユーザーにとって便利であることは間違いありません。

しかし私は、「加工・再生産」にこそが「キュレーション」の本意だと感じています。なぜなら、メディアが担うべき役割は、「効率化」ではなく「新たな価値の創造」のはずだからです。

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