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君とアニメと人生と

アニメ・人生・仕事の三本柱でお送りします

「我慢」という名の「逃げ道」について

人生 人生-考え方

今回のテーマは、多くの日本人が大好きな「我慢(あるいは忍耐)」という言葉が、時に「逃げ道」として使われてしまっていることについて。

本来の意味の「我慢」は、決して悪い言葉ではありません。しかし、「我慢」の意味を自分に都合の良いように解釈してしまい、結果として物事を悪い方向へ導いている可能性があります。その理由とメカニズムを説明していきましょう。

「我慢」とは変化を起こさないこと

一般的に美化されがちな「我慢」という概念ですが、我慢というのは簡単に言ってしまえば、「現状維持」のことです。現状を変えたい・何か変化を起こしたいと気持ちを抑えること。これこそが、我慢の本質なのです。

そして良い意味での「我慢」とは、起こしたい変化というのが目に見えて悪いと判っているものである場合を言います。例えば、誰かに酷いことをされた復讐をしたい、明らかに食べ過ぎだけど美味しいものがたくさん食べたい、など。要するに、誰かを悲しませたり不利にさせるような結果を招くのが明らかであることに限られるのです。

しかし、起こしたい変化が悪いことなのかどうか判らないことさえも、人は「我慢」を持ち出して美化しようとしがちです。

例えば、自分の所属している組織に対して、不満や怒りがあったとしましょう。そういった感情を組織にぶつけることは、果たして悪い結果を及ぼすのでしょうか?内容にも依るでしょうが、恐らくその組織を活性化するためにはそういった感情をぶつけることも必ずしも悪いことではないはずです。

それにもかかわらず、このように、悪い結果を及ぼすとは限らないことも、「我慢」という言葉を盾にして変化を起こそうとしない人が多くいます。そんなものは我慢でもなんでもなく、ただの「現状維持」です。

「我慢」は失敗の口実になる

それでも人が我慢を盾にしてしまう理由。それは、「我慢している」という認識が少なからず責任の回避につながってしまうからです。

例えば、同じく失敗をしたとしても、「我慢をした失敗」と「我慢をしなかった失敗」の二つの状況を想像してみましょう。

我慢した(結局は我慢したつもりになっているだけですが)結果、失敗してしまったときの周りの反応はどうでしょうか?恐らく多くの人は、「我慢が報われなくて残念だったね」とか「よく耐えたね」といった同情を抱いてくれるはずです。要するにこれは、失敗に対する情状酌量の余地が生まれることを意味します。これこそまさに、「我慢」という言葉を「逃げ道」として利用するということ。

一方、我慢せずに現状を変化させた結果、予期せぬ失敗を引き起こしてしまった場合はどうでしょうか?恐らく大多数の人は、「我慢が足りなかった」「自業自得だ」などと批判的な感情を持つのではないでしょうか?つまりこれは、変化に対する責任を全て本人が負う必要があるということです。誰だって失敗の責任は負いたくないもの。その心の弱さが、「我慢」という言葉の悪用を招いているわけです。

まとめ

ここまで、「我慢」という言葉が「逃げ道」として悪用されるメカニズムを分析してきました。

日本人は、世界からもその我慢強さ・忍耐力を称賛されていますが、そこには失敗を恐れて現状を変えようとしないという「消極性」が介在しています。しかし、本来の我慢とは決して「逃げ道」のような消極的なものではなく、虎視眈々と機会を伺う積極的なものであるはず。今一度自分自身の「我慢」という考え方を見直し、我慢している<つもり>になっていないかどうかを確認する必要があるのではないでしょうか?

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