読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

君とアニメと人生と

アニメ・人生・仕事の三本柱でお送りします

出版業界とメディアミックスの関係性~書籍宣伝の立場から~

世の中 世の中-メディア

私が大手出版社の書籍宣伝職に転職してから、早くも半年が経ちました。さすがにそろそろ業界の裏事情的なところも見えてきたので、今回はそれについて自分なりに考察してみたいと思います。

テーマは、今流行りの「メディアミックス」。ご興味のある方は、ぜひ最後までお付き合いください。

出版不況の煽りを受けるのはどこか?

皆さんご存知のように、現代は「出版不況」と呼ばれる時代です。雑誌を中心にしてきた出版社は徐々に減りはじめ、大手出版社でも休刊が相次いでいます。最近では、あの「TVぴあ」が休刊になっとことも大きな話題となりました。

TVぴあが休刊を発表…1月27日発売号で28年の歴史に幕 (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

ただ、私は「書籍」宣伝の立場なので、雑誌には直接関係がありません。しかし、確かに出版不況を実感する部分があります。それが、「書籍宣伝費」の削減です。

現状、出版不況とはいえ、新刊点数はほぼ横ばいです。むしろ少し増えてきているきらいもあります。さて、新刊を出すにはもちろん費用がかかりますが、そこがあまり変わっていないということは、他にどこかを削る必要が出てくるのは当然ですね。そこで白羽の矢が立つのが、新聞への広告出稿などを中心に行う「書籍宣伝費」なのです。

新聞の読者は年々減っており、その主要読者の年齢層も高いですので、当然と言えば当然といえます。ただ、大して意味がないからといって宣伝施策を打たなくても良いということにはもちろんありません。そこで最近注目を集めているのが、今回のテーマである「メディアミックス」という手法です。

宣伝のための「メディアミックス」

前述のように、近年「書籍宣伝方法」の一つとして大きな盛り上がりを見せているのが、「メディアミックス」です。

メディアミックスとは、

さまざまな広告媒体を組み合わせることで、お互いの弱点を補う広告手法のこと。例えば、小説やマンガを映画化したり、TVドラマ化したりすることで、両者の売上を伸ばす方法である。そのほかにも新聞、雑誌、ラジオ、電車内広告、折込広告、POP広告などを目的や場所に応じて使い分け、商品を販売することもメディアミックスに含まれる。

出典:メディアミックス(めでぃあみっくす)とは - コトバンク

のことで、本来の広告手法としての意味が変容してきています。

それはさておき、これまでも非常に大きな成果を挙げてきたメディアミックス。皆さんも、映像化された作品を観て面白かったから、原作の小説なり漫画なりを買ってみたという経験があるのでは? 次は最近実際にあった成功事例を一つご紹介します。

最近の成功事例:『だがしかし』のアニメ化 

現在テレビアニメ放送中の『だがしかし』。実家が田舎で駄菓子屋を営んでいる鹿田ココノツの周りで巻き起こる駄菓子コメディですが、アニメ化の影響で大きく売り上げを伸ばしています。

だがしかし:3カ月でコミックスの部数倍増 テレビアニメ化効果で - MANTANWEB(まんたんウェブ)

メディアミックスは諸刃の剣?

『だがしかし』のように、メディアミックスによって書籍の売り上げを大きく伸ばすことができれば万々歳。しかし、すべての作品がそうなるほど甘くはありません。

例えば、ある漫画がメディアミックスとしてアニメ化やドラマ化し、その作品が大コケした場合、原作漫画としてのイメージにも悪影響があります。そこから既存ファンの心が離れていく、なんてことにもつながりかねません。また、そもそもある作品をメディアミックスするにあたって、出版社側も映像作品に出資をする場合が多いので、そこで一定のリスクを負っているのです。

まとめ

メディアミックスが、本来の広告手法としての意味合いから変容していると述べましたが、とはいえ出版社側の思惑としては、メディアミックスはまごうことなき「宣伝手法」だといえます。

ただし、ここで言う「メディアミックス」が使えるのは、小説や漫画といった「フィクション」に限られてしまいます。限られた予算をこちらに突っ込む分、その他の教養書やビジネス本、実用書などには益々宣伝費を割くことが難しくなっていくでしょう。

宣伝費が少なくなっていくということは、我々消費者の目に触れる機会が減っていくということを意味します。ネットで本を買うことが主流になりつつある社会で、本当に自分にとって必要な本とは何なのか?

今後はただ受け身でおすすめの本を誰かに紹介してもらうのではなく、自ら進んで自分に合った本を探す姿勢が必要になってくると思われます。

メディアミックス関連本

© 2014-2016 君とアニメと人生と