元アニメ制作進行の同僚に「制作進行の適性」について聞いてみました

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先日、前職のアニメ制作会社の同僚の女性と呑む機会がありました。そこで僕が以前からずっと気になっていた制作進行の適性について面白い話が聞けたので、ここに記しておこうと思います。

アニメの制作現場の実状を知っていただくと共に、これからアニメ業界に飛び込もうか悩んでいる人の参考になれば幸いです。

制作進行を2年経験した若手社員

今回話を伺ったのは、新卒でアニメ制作会社に入社して2年間制作進行として働いた経験のある若手社員。自ら異動願いを出し、3年目からは制作以外の部署で働いているAさんです。

制作進行の仕事はただただ体力的にキツかったと言います。でも、そんな中でAさんがなんとか2年間続けてこられたのは、やはりアニメが好きだったから。そして、クリエイターさんと信頼関係を築くことができたことで、やりがいを感じたからだそう。

制作進行というと入れ替わりも激しく、すぐ辞める人も後を絶たなかったようですが、そんな環境で2年間続けられたということは、制作進行の適性について何か面白い話が聞けるのでは?といくつか質問してみました。

※以下インタビュー形式で進みます。録音はしていなかったので多少僕の方で噛み砕いてますが、その点はご了承ください。タメ口だったのでそこはそのまま活かしています。

制作進行をすぐ辞める人は「優しい人」が多い

―――制作進行をすぐ辞める人って、どんな理由で辞めちゃうの??

 

すぐ辞めちゃう人は「優しい人」が多いかな。優しい人は、本当は自分のせいでもなんでもないことまで責任感じちゃって、精神的に追いつめられて辞めちゃう。

残る人にもコミュ力高くて優しい人はいるけど、他人のことまで責任感じたりはしないかな。ある意味そこはサッパリしてないと続かない。

 

―――つまり、色んなことを一人で背負い込まない人が制作進行には向いてるってことなのかな??

 

そうだね。

制作進行には他人に「無理なお願いをできる面の皮の厚さ」が必要

―――制作進行が続けられる人と、すぐ辞めちゃう人の違いってどこにあるのかなあ??

 

うーん、それはクリエイターさんたちに「無理難題をお願いすることができる」かどうかかな。仕事を持っていくときに「これを3日であげてください」とかってお願いするんだけど、これって要は「3日間寝ずに作業してください」っていう意味にもなるわけ。

仕事とはいえ家族でもない赤の他人に、「あなたの時間を私(たち)にください」って言えるハートというか、面の皮の厚さがないと続かない。

 

―――それは辛い…。俺は無理だわ。

 

岡本くんは無理だろうね(笑)

私なんか実際にあった話なんだけど。クリエイターさんが3日間かけてあげてくれたカットが私のミスで全部使えないことになっちゃって…。申し訳なさ過ぎてその場で泣いちゃったよね。

その後周囲の制作進行の人が慰めてくれたんだけど、そのうちの一人の先輩から「相手のことを思って涙を流せるのも武器だよ」って言われた。

 

―――(その先輩はそんなことあってもビクともしないんだろうな…)

「自分は悪くないですよ」って顔できる人が制作進行に向いている

―――なんか変な結論だけど、要するにアニメ制作進行に向いてる人って、責任感が強すぎない人なのかな?

 

というか、クリエイターさんに仕事を頼むときって、結構無茶なお願いが多いんだよね。そういうとき、「自分のせいですみません」みたいな態度だと、クリエイターさんの怒りを一手に受けることになる。

上手くやる制作進行は「自分のせいじゃありません」って態度でクリエイターさんに接することができるんじゃないかな。

だから、デスクとかプロデューサーはちょっと変な人が多くなるのかも(笑)

 

―――………(苦笑)

アニメ制作進行のやりがい

―――制作進行のやりがいってどんなところ?

 

みんなこの業界に入ってくるわけだから、大なり小なりアニメが好きなわけ。でも、やってる仕事自体は別に自分じゃなきゃできないことじゃなくて、誰がやっても変わらない。でも、その作業にちゃんと意義を感じられる人は続けられる気がするなぁ。

 

あと、私は最初の頃仕事で結構ミスしたんだけど、なぜかクリエイターさんが庇ってくれたんだよね。そういうのは結構嬉しかったかな。

話を聞き終えての所感

僕自身ずっとアニメ業界に憧れがあって、まず頭に浮かんだ職種も制作進行でした。色々と考えた結果、「僕には向いてないんじゃないか」ということでアニメ業界には違う道で入ることを模索したのですが、今回の話を聞いてみると結果的には正解だったようです。

どんな仕事の適性も結局やってみなければわからないことも多いですが、実際にそこで働いたことのある人の話を聞くのは非常におすすめ。もしアニメの制作進行にチャレンジしようか悩んでいる方の参考になったのならうれしい限りです。