「嫉妬」という言葉を聞いて皆さんはどんなイメージを持ちますか? 多くの場合、「ないモノねだり」とか「競争過多」といった“負”のイメージを持つことが多いのではないでしょうか。
しかし、「嫉妬」の感情をうまく利用することで自分の目指すべき方向が明確になるという見方を、奥田浩美さんの著書『人生は見切り発車でうまくいく』から学びました。
今回はその内容を自分なりに整理しておこうと思います。嫉妬との向き合い方以外にも学ぶところが多いので、ぜひおすすめしたい一冊です。
嫉妬との向き合い方
負の感情が湧き上がってくるところには、必ず「欲望」が隠れています。ですから嫉妬をうまく利用することで、目指す方向性が明確に見えてくるのです。
(中略)
憧れと嫉妬は、同じ線上にあることも少なくありません。
―『人生は見切り発車でうまくいく』奥田 浩美(総合法令出版)
一般的に「嫉妬は悪だ」などと言われることも多く、できるだけ嫉妬をしない、嫉妬の感情を持たないようにするべきだという意見が多く聞かれます。日本人のパーソナリティからしても「よそはよそ、うちはうち」といった教育方針をとっている家庭も多いのではないでしょうか?
しかし筆者曰く、「憧れ」と「嫉妬」はそう遠くない位置にあるといいます。
嫉妬心は抱く相手を評価している、ということなのです。無関心だったり相手が遠すぎる存在なら、感じることがありません。
―『人生は見切り発車でうまくいく』奥田 浩美(総合法令出版)
嫉妬=あたなが本当は欲しがっているもの
嫉妬が持つ本当の意味を考えるために、まずはこういう風に考えてみます。
もしどこかに、あなたが嫉妬を抱く相手がいるとしましょう。そのとき、その「嫉妬心」を心のどこかに押し込めてしまう前に、一瞬でも良いので「ああ、自分は本当のところこんな風になりたいのか」と受け入れる気持ちが大事です。
押し込めた感情は、いずれまた何かの拍子で表に出てきてしまうはず。もちろん、嫉妬の感情に正面から向き合いすぎて発狂してしまっては元も子もありませんが。
嫉妬の対象を否定した方が気持ちが楽
しかし、嫉妬の心を受け入れるというのは辛さを伴います。だからこそ、嫉妬の対象は否定したくなるというのも人間の性といえるでしょう。
たとえば最近の事例で言うと、「新卒フリーランス」を名乗る方たちが少し話題になりました。彼らはある程度やりたいことが決まっていて、それに向かっていくうえで「会社」ではなく「個人」を選んだわけですが、そこに対して多くの批判も浴びせられていました。
これこそまさに、「本当は自分だってこんな風に働きたい」と思っている(あくまで無意識下の場合が多い)方たちが、そういう生き方を否定することで心の安定を図ろうとしているに過ぎません。
この事例から得るべき教訓は、「いくら嫉妬の感情を意識の奥(無意識下)に押し込めても、その人の人生において決してプラスにはならない」ということ。嫉妬の感情というのは、嫉妬の「対象」との戦いではなく「自分自身」との葛藤であるということです。
まとめ
私自身もこれまでは、「嫉妬」という感情に向き合うことを避けてきたように思います。そして、嫉妬の「感情」を否定するために、嫉妬の「対象」を否定したくなる気持ちも大いに理解できます。
ですが、「嫉妬」の感情こそ、人生を良い方向に進める上での大きな指針になり得るということをこの本から学びました。ぜひこの記事と共に、あなたの今後の人生に役立てていただけれたら嬉しいです。